義烏訪問

 今回の出張の業務には関係ないのだが、せっかく上海に行っているということで足を伸ばして以前から行きたかった都市、義烏に行ってみた。
 義烏には、雑貨の卸売業が数千軒もならぶ巨大なマーケットがあり、世界中からバイヤーが訪れる街になっている。日本の100円ショップ向けの雑貨もかなりここ経由で輸入されているということだ。

 今回はもちろん仕入れる意図はなく、どんなところなのか興味本位での訪問。先日に行った「東京ギフトショー」の常設版みたいなものと予想して行ったのだが、あまりの店舗の数に圧倒されてしまった。巨大であることを知っていたにもかかわらず、驚かされたのだから、その規模を想像してほしい。

 数時間の滞在だったので、できるだけ広い範囲を見ようと歩き回り、結果的に何も仕入れずに帰ってきたが、その中で印象に残ったのが子供の数である。
 巨大な福田市場(義烏の雑貨市場)のほとんどは家族経営の小さな店舗から成り立っている。そういう家はほとんどが共働きなので、多くが店の中で子育てをしながら店舗を営んでいるのだ。このため、どのブロックやフロアに行っても、廊下には走り回ったり、遊んだりする子供の姿があった。
 どうやら彼らには、三輪のキックボードと、二輪のスケートボードが流行しているらしく、まだ幼稚園児くらいの小さな子供が、乗りこなしているのは見事であるが、乗りこなしている場所が市場のタイルやリノリウムを貼った廊下であることは少々問題である。

 ビジネスに役立つ知識を得ようと訪問した義烏で図らずも「生活」について再度考えさせられた旅であった。

 ところで義烏につくなり靴擦れで歩けなくなった同行者、インフォメーションで医務室を尋ねるが、通訳なしではいまひとつ話が通じず、メモに「医務室」と「絆創膏」と書いて筆談したところ、地図を示されて「ここへ行け」とのこと。さすがに巨大なショッピングセンター、医務室もしっかりあると感心しつつ移動(怪我人の足では、歩いて30分以上かかるのだが)したところ、絆創膏を発見、ただし100箱ロットで大量に売られていた・・・そこは医薬品・化粧品の卸が集まっている場所でした。