「やる気」について考える

出張の移動中は本を読むか寝てるのが常だが、飛行機の離着陸時や、バスの中は酔いそうになるので本が読めず、ぼんやりとものを考えていることがある。

そこで今日、ちょっとだけ考えたことの整理で、ここにメモする。

以前から考えてきた「やる気」についてである。
「やる気」のある中小企業、「やる気」のある商店街 ・・・・等々、行政の支援対象としてよく使われる「やる気」。これは何を意味してているのだろうか。

これを式にして示してみた。

「やる気」= 自己資金 + 労働力
 労働力= 実施意欲 × 能力 × 時間

すなわち、こういうことになる。
「やる気」= 自己資金 +(実施意欲 × 能力 × 時間)
おそらくであるが、多くの人に理解されている「やる気」とは、このようなものではなく、単に「やる気=実施意欲」という認識だろう。

しかし、どれほど意欲があったとしても、その人が能力に欠けていたり、能力があっても新しいとりくみに注ぎ込む時間がなければ、実際にはなんら物事を行うことができない。厳しいことだが、どれだけ意欲があろうが、能力か時間のどちらかがまったくなければ、労働力としてはゼロである。
ましてや、ビジネスであれば、それに加えて資金が必要になる。工夫でコストを抑えることは可能であるが、最初から費用を出す気がなければ、ほとんどの事業は成り立ち得ない。

特に地方自治体などの行政サイドの人と話すと、「やる気=実施意欲」との解釈が多い。であるから、よく聞く「おカネはなくとも、やる気がある中小企業や商店街を見捨ててはいけない」という意見になる。

しかし、上の式が示すように、能力、時間のいずれかに欠け、自己資金を拠出するつもりがなければ、どれほど実施意欲があろうが、「やる気」はゼロだと判断せざるを得ないのである。


ちなみに、能力と自己資金は以下のようになる。

能力= 素質 ×(経験 + 勉強量)
自己資金 = リスクマネー = 最悪の場合、返ってこないと覚悟した資金

能力は単に素質があるということだけではない。豊富な経験やその不足を補う勉強量が元にあり、それにと素質が掛け合わされて能力となるのである。
なお、この式のカッコの中にあるように、経験と勉強量は、組み合わせることでプラスが生じる、つまりどちらかの不足を他方がで補うことができるものであるということも重要である。一般的に素質は代替することができないが、素質が不足していても、経験と勉強量を増やすことで能力を高めることも可能である。
それでも、素質という要素が掛け算になっているように、素質の高さは大きな影響を与えることもまた事実である。

また、自己資金についてだが、人に販促のことを説明するときによく「販売促進はおカネを捨てる気持ちが必要」と言っているのだが、販売促進に限らず、新しいことをするときには、おカネを捨てる覚悟が必要だということである。


思いつくままにメモに整理してみた。
書いたことはすべて自分のアタマの中からのもの、正しいかどうかはわからないが、自分が使える説明ツールとしては役立ちそうである。