予期せぬ再会!?

出張で仙台から秋田へ。
これまでに都道府県単位では全県に行ったことがあるのだが、秋田の市内に来るのは初めて。到着した夜9時過ぎの時点で駅前に人影はあまり多くない。地方都市の中心市街地の低下は言うに及ばないが、それ以上に地方全体の疲弊を感じる光景である。

どうしてだか、今日はやたらラーメンが食べたい気持ちになり、ホテルのフロントで近所のラーメン屋さんを聞くと、夜にやっているのは1軒のみということ。その店「末廣ラーメン本舗」は、24時間営業ということで、ホテルでひと仕事した後に行ってみることにした。

ホテルでもらった周辺グルメマップによると、「秋田テレビの人気投票で1位の店」、「昭和4年創業の屋台が起源」という紹介。正直、これらの誉め言葉に釣られない程度には、セールスプロモーションずれしているのだが、メインのメニューが濃口醤油味の「中華そば」というのが気に入った。ラーメンと書かずに中華そばと表記する店には弱い。しかも、出身地の京都に多い濃口の醤油は、ちょうど食べたかった味である。

ということでお店へ。入ってみて驚いたのが、「当店は京都の老舗ラーメン店『新福菜館』をルーツにしています」との表記。新福菜館は、学生時代によく通い、最近でも京都に行くたびに立ち寄っている店である。まさか、ここでその流れを汲む店に出会えるとは・・・。

新福彩館といえば、中華そばに加えてヤキメシが名物。夜中だというのに、中華そば(並)と半ヤキメシを注文した。

味については、ご当地に合わせてアレンジしたのだろう、新福菜館の雰囲気は残しつつも、食べ慣れた自分からすると、やや野性味がなくなった感じ。これは好みだからこっちのほうがいいという人もいるのかもしれないが、「あの味」を期待した舌にはややもの足らず、である。
さらにヤキメシについては、おそらくレシピは同じものだろうが、新福菜館のヤキメシの味を知らない人が作っていると思われるものだった。ちょっと残念である・・・

しかし、面白いと思ったのが、壁に書かれている新福菜館についての説明。昭和4年に屋台として創業、日本でももっとも古い中華そば屋のひとつとして営業し、その後、京都駅近くの現在の地で店舗を構えたらしい。
京都の名店の名前を前面に出すことで店舗をPRするため、あえてこの店では詳細に書いているのだと思われるが、実はそんなことは京都の店にも書いていない。本体よりも熱心にPRしているのが面白かった。

それと本体より熱心なことがもうひとつ。基本メニューである中華そば(並)680円、確か少し前に行った新福菜館の(並)は650円だったはずである・・・