上海新天地

 仕事終了後、飲茶の店に行くというので、通訳さんの案内で「上海新天地」に。

 既存の建物を上手に活かした、飲食店と小型の小売店を配置した空間。街路沿いの飲食店はすべてがオープンテラス、というより街路にテーブルを並べている。ここで飲むと、だれでもカッコ良さ、美人さが2割増になりそうな空間である。
 ひと言でいうと、東京にはこれだけ洒落た場所はない。同行者もまったく同意見である。

その後、観光地である豫園に行った(実際には豫園の開園には間に合わず周辺の商店街で土産物を買っただけなのだが)が、やはり規模が大きい。浅草の仲見世・・・いや伊勢のおかげ横丁という雰囲気だろうか、いずれにしてもそのどちらよりもカネがかかっているのはすぐにわかる規模で、我々のような海外からの客以上に、中国の地方からの観光客に大人気だった。

 私権が強く再開発が困難な日本と、土地の所有という概念がなく、必要であれば計画から半年で工事に着工できる中国の差を目の当たりにした感じである。
 住んでいた土地から数ヶ月で追いたてられるのも嫌だが、日本の土地所有に関する権利は強すぎるのも確か。道路を引くのに20年かかるはやはり全体から見れば異常な効率の悪さである。どちらの制度が良いとは言わないが、上海新天地の雰囲気の良さや、豫園周辺の楽しさは本物、明確なルール付けができるのなら、再開発にはある程度強権があってしかるべき、と感じる体験だった。