無錫・・・旅情?

 君の知ら〜ない、異〜国の街で〜♪
 カラオケで何度も聞いて、自然に覚えた「無錫旅情」という歌のイメージから、ひなびた田舎町を想像していたのだが、着いてみた無錫は、道は広く、高層ビルがけっこう建っており、中心地には各国のブランドショップが建ち並び、街中がイルミネーションに溢れ・・・という近代都市だった。

 ウィキペディアで調べてみると、工業化が早く、地域内の総生産が常に中国上位にある450万人の都市、ということなので、当たり前なのであるが・・・。
 日系企業の進出も早く、空港からの道沿いには見慣れた会社名の工場がたくさん建ち並んでいた。

 無錫には24時間に満たない滞在で、次は上海に移動。事前に移動手段を確認しておらず、通訳の人に尋ねたところ、無錫は初めてなので駅に行ってみないと鉄道が走っているかはわからないとのこと。「大丈夫、鉄道は絶対走ってます」というと、「どうしてわかるんですか?」と不思議そうな顔で通訳さん。

 だって、「上海、蘇州と汽車に乗り〜♪」なんですもの・・
 ちなみに列車は新幹線の車体のいいやつでした。

大連の「本願寺」で京劇

 連休中でも海外なら関係ない、ということで中国で仕事。まずは大連に入った。
 せっかくの海外ということで、着いた日は少々観光、ネットを見ていたら、大連の「麒麟舞台」というところで、週に一度、京劇の公演があるらしい。
 京劇そのものにはそんなに興味がなかったのだが、この劇場、もともとは大連の東本願寺であった建物だということで、見に行ってみた。

 確かに建物の基本的な構造は本願寺、しかしそれでもこの色彩にすれば中国風になるのが面白い。お寺がこのように使われているのは、日本人としてはやや複雑な気持ちだが、違った文化の中で建物を活用するというのは、こういうことなのだろう。

 ちなみに観劇した京劇は、舞台は狭いながらアクションあり、歌謡ショーありのもの。外人向けの観光アトラクションかと思いきや、中国の地方からの高齢者ツアー客が中心だったので、実際に受け入れられているものなのだろう。言葉はまったくわからなくても、飽きずに1時間半楽しめるものだった。

 

予期せぬ再会!?

出張で仙台から秋田へ。
これまでに都道府県単位では全県に行ったことがあるのだが、秋田の市内に来るのは初めて。到着した夜9時過ぎの時点で駅前に人影はあまり多くない。地方都市の中心市街地の低下は言うに及ばないが、それ以上に地方全体の疲弊を感じる光景である。

どうしてだか、今日はやたらラーメンが食べたい気持ちになり、ホテルのフロントで近所のラーメン屋さんを聞くと、夜にやっているのは1軒のみということ。その店「末廣ラーメン本舗」は、24時間営業ということで、ホテルでひと仕事した後に行ってみることにした。

ホテルでもらった周辺グルメマップによると、「秋田テレビの人気投票で1位の店」、「昭和4年創業の屋台が起源」という紹介。正直、これらの誉め言葉に釣られない程度には、セールスプロモーションずれしているのだが、メインのメニューが濃口醤油味の「中華そば」というのが気に入った。ラーメンと書かずに中華そばと表記する店には弱い。しかも、出身地の京都に多い濃口の醤油は、ちょうど食べたかった味である。

ということでお店へ。入ってみて驚いたのが、「当店は京都の老舗ラーメン店『新福菜館』をルーツにしています」との表記。新福菜館は、学生時代によく通い、最近でも京都に行くたびに立ち寄っている店である。まさか、ここでその流れを汲む店に出会えるとは・・・。

新福彩館といえば、中華そばに加えてヤキメシが名物。夜中だというのに、中華そば(並)と半ヤキメシを注文した。

味については、ご当地に合わせてアレンジしたのだろう、新福菜館の雰囲気は残しつつも、食べ慣れた自分からすると、やや野性味がなくなった感じ。これは好みだからこっちのほうがいいという人もいるのかもしれないが、「あの味」を期待した舌にはややもの足らず、である。
さらにヤキメシについては、おそらくレシピは同じものだろうが、新福菜館のヤキメシの味を知らない人が作っていると思われるものだった。ちょっと残念である・・・

しかし、面白いと思ったのが、壁に書かれている新福菜館についての説明。昭和4年に屋台として創業、日本でももっとも古い中華そば屋のひとつとして営業し、その後、京都駅近くの現在の地で店舗を構えたらしい。
京都の名店の名前を前面に出すことで店舗をPRするため、あえてこの店では詳細に書いているのだと思われるが、実はそんなことは京都の店にも書いていない。本体よりも熱心にPRしているのが面白かった。

それと本体より熱心なことがもうひとつ。基本メニューである中華そば(並)680円、確か少し前に行った新福菜館の(並)は650円だったはずである・・・

『東京の手仕事』

 昨日、書店を歩いてた時に、以前から気になっていたこの本、『東京の手仕事』を買った。
 この本は、「Meets Regional 東京篇」として、関西では有名な情報誌エルマガジンから出されている。同社の雑誌『Meets』は、以前からなんとなく好きで時々買っていたので、それなりに期待して気にしていたのだ。

 内容は、「今会いに行きたいオモロイ作り手70人」というキャッチコピーにあるとおり、オーダーメイドを中心にハンドメイドの作家、かつアーティストではなくビジネスとして店舗をもっている人に焦点をあて、人物と製品、その店を紹介している。

 家具、帽子、革ジャケット、自転車・・・センスや提灯などの和モノもあり、果ては達磨、地球儀、爪楊枝まで、読んでいるだけで、書き手の好感が伝わってくる内容で、自分でも必要もないのにオーダーしたくなってしまう。

 いつも思うのだが、この本に出てくるような「職人でありながら、現代のニーズにマッチしたものを試行錯誤している」人が好きである。こんな人たちと一緒に何かを企画してみたいと常々考えている。

 自分にはまったく必要はないのだが、それぞれの店の近辺にあるおススメスポットの紹介もあるので、ちょっとした休日のお出かけや観光にも使える本なのだろう。まあ、そこは深く考えないでも、十分価値のある本である。

ギフトショー

ギフトショーを見に行った。
行くのは前回に続いてなのだが、半年前のギフトショーは閉会30分前に行って、何人かの出店されている方に挨拶するのが精一杯だったので、ゆっくり回るのは数年ぶりである。

以前に回ったときと比べ、規模は格段に大きくなっている。東京ビックサイトの東西の両会場をいっぱいに使用、ちょうどお昼から回り始め、特に商談もなくひたすら見て回ったのだが、閉会の6時にまでには全部を見ることができなかった。

やっぱり展示会はいい。
もちろん、仕事で使えそうなネタもいくつか見つけたが、それ以上に展示している各社の「なんとかビジネスを成功させたい」という気迫の中に身をおくことで自分のやる気になるからだ。
今回もやるきを分けてもらって帰ってきた。

今回のギフトショー見学に同行したインターンシップの女子学生は、ずっと歩き続ける展示会めぐりにふらふら。考えてみれば5時間くらい歩いてる訳だから、運動量はかなりのもの。健康にもいいかもしれない。
ちなみに、彼女は疲れ果てた後、出展ブースでリラックマの大きなビニール袋をもらって機嫌を直していた。やっぱり若い・・・

民営の「道の駅」の可能性

 千葉県市原市にある株式会社諏訪商店を訪ねた。
 この会社は、落花生や海産物など、土産物としての千葉県産品を取り扱う卸売業者。全国の中堅卸売業が苦境に立たされている中、商品のレベルアップと新規取引先の開拓を地道に継続し、頑張っている貴重な卸である。

 さらにすごいのが、小売業への進出。自社の商品と地元の生鮮野菜の直売を組み合わせた「民営版 道の駅」をコンセプトに展開する『房の駅』は、観光客のみならず、地元のお客さんにも大人気である。

 ちょうど行った時には、採れたての落花生が大量入荷したタイミング。草も泥もついた落花生を見る機会は千葉県の人でもあまりないらしく、お客さんが引き寄せられていた。

 国土交通省の補助により自治体が建造する「道の駅」は全国に展開されており、当初の「一般道のサービスエリア」というコンセプトが忘れ去られるくらいに一般化した。全国に917箇所も設置されており、施設ごとに良し悪しはあるものの、おおむね人気のスポットとなっており、地域活性化起爆剤としても未だに注目を集め続けている。

 ただし、駐車場、トイレ、情報提供施設については24時間営業が求められるなど、設置や運用の条件が厳しいため、やりたくてもやれない自治体も多いのも事実。そうした点からは、民営で何の制約も受けない「房の駅」のようなモデルは、これからますます増える可能性を秘めている。
 実際に「房の駅」への視察は多く、コンセプトを真似て作られた『村の駅』(静岡県三島市)などは地元では大人気の施設になっている。

 ところで、ここの諏訪社長は、本当に勉強熱心で実行力がある「後継者の鑑」というべき人物。昔から知っているだけに会うたびに成長っぷりに感心してしまう。
 今は経営を譲り、自身で農業を営む先代社長に分けていただいた採れたて落花生茹でつつ、わが身を振り返り、ちょっと反省である。

「やる気」について考える

出張の移動中は本を読むか寝てるのが常だが、飛行機の離着陸時や、バスの中は酔いそうになるので本が読めず、ぼんやりとものを考えていることがある。

そこで今日、ちょっとだけ考えたことの整理で、ここにメモする。

以前から考えてきた「やる気」についてである。
「やる気」のある中小企業、「やる気」のある商店街 ・・・・等々、行政の支援対象としてよく使われる「やる気」。これは何を意味してているのだろうか。

これを式にして示してみた。

「やる気」= 自己資金 + 労働力
 労働力= 実施意欲 × 能力 × 時間

すなわち、こういうことになる。
「やる気」= 自己資金 +(実施意欲 × 能力 × 時間)
おそらくであるが、多くの人に理解されている「やる気」とは、このようなものではなく、単に「やる気=実施意欲」という認識だろう。

しかし、どれほど意欲があったとしても、その人が能力に欠けていたり、能力があっても新しいとりくみに注ぎ込む時間がなければ、実際にはなんら物事を行うことができない。厳しいことだが、どれだけ意欲があろうが、能力か時間のどちらかがまったくなければ、労働力としてはゼロである。
ましてや、ビジネスであれば、それに加えて資金が必要になる。工夫でコストを抑えることは可能であるが、最初から費用を出す気がなければ、ほとんどの事業は成り立ち得ない。

特に地方自治体などの行政サイドの人と話すと、「やる気=実施意欲」との解釈が多い。であるから、よく聞く「おカネはなくとも、やる気がある中小企業や商店街を見捨ててはいけない」という意見になる。

しかし、上の式が示すように、能力、時間のいずれかに欠け、自己資金を拠出するつもりがなければ、どれほど実施意欲があろうが、「やる気」はゼロだと判断せざるを得ないのである。


ちなみに、能力と自己資金は以下のようになる。

能力= 素質 ×(経験 + 勉強量)
自己資金 = リスクマネー = 最悪の場合、返ってこないと覚悟した資金

能力は単に素質があるということだけではない。豊富な経験やその不足を補う勉強量が元にあり、それにと素質が掛け合わされて能力となるのである。
なお、この式のカッコの中にあるように、経験と勉強量は、組み合わせることでプラスが生じる、つまりどちらかの不足を他方がで補うことができるものであるということも重要である。一般的に素質は代替することができないが、素質が不足していても、経験と勉強量を増やすことで能力を高めることも可能である。
それでも、素質という要素が掛け算になっているように、素質の高さは大きな影響を与えることもまた事実である。

また、自己資金についてだが、人に販促のことを説明するときによく「販売促進はおカネを捨てる気持ちが必要」と言っているのだが、販売促進に限らず、新しいことをするときには、おカネを捨てる覚悟が必要だということである。


思いつくままにメモに整理してみた。
書いたことはすべて自分のアタマの中からのもの、正しいかどうかはわからないが、自分が使える説明ツールとしては役立ちそうである。